相続手続きは早めにされることをお勧めいたします。

いつか手続きをしようと思ってはいても、なかなか進められないこともあるとは思いますが、あまり長い間放っておくと、相続関係が複雑になり、手続き自体が困難に なってしまうこともあります。
後の世代に負担を残さないためにもお早めにご相談ください。
また、現在、相続登記は義務となっておりますのでご注意ください。

以下では、主に亡くなった方(被相続人)のご遺産についての、相続手続きの一般的な流れについて、ご説明いたします。ご参考ください。



まずは、亡くなった方の相続人となるのは誰なのか、何人いるのかを調査し、 把握する必要があります。

具体的には、亡くなった方の戸籍をたどって調べていくこととなります。
最低でも亡くなった方の生まれてから、お亡くなりになるまでの戸籍を調べる必要があります。

亡くなった方に、直系卑属(子・孫など)がいない場合には、直系尊属(父母・祖父母等)が相続人となります。
さらに、直系尊属が先に亡くなられている場合には、 次は、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。この場合には、亡くなった方の父母の生まれてからお亡くなりになるまでの戸籍を調べる必要があります。
また、相続人の中に、 亡くなられている方がいる場合には、代襲相続あるいは数次相続となるため、その亡くなられた相続人の生まれてからお亡くなりになるまでの戸籍を調べる必要があります。

当事務所に名義変更をご依頼される場合には、当事務所がこれらの書類を取得することも可能です。

相続人全員が判明したら、相続関係図を作成しておくと良いでしょう。



亡くなった方のご遺産を調査し、把握するために関係する資料を 収集します。ご遺産が判明したら、財産目録という形で一覧にして書面に記載しておくよ良いでしょう。

不動産の調査

固定資産税の納税通知書、名寄帳(不動産の所在地の役所で取得)、登記事項証明書(法務局で取得)、登記済権利証、登記識別情報通知、などから所有していた不動産の 種類・数・所在を調べます。

預貯金の調査

通帳、取引履歴、パソコン上の記録(ネット銀行)、口座開設の際の書類、カードなどで調査します。
また、貸金庫の利用がないかどうかについても 契約書や鍵の存在、利用代金の引き落としがないか通帳で調べます。

その他の財産の調査

自動車については、車検証、契約書類など
貴金属等については、鑑定書、領収書、通帳、保証書、契約書類など
有価証券については、証券会社等の取引明細(報告)書 預金通帳(利子の入金の有無など)など
仮想通貨やデジタル遺産については、使用していたパソコンにあるファイル、閲覧履歴、メール履歴、その他パスワード等を記録したものなど
保険金については、保険証券、保険会社からのお知らせ、預貯金通帳(保険料の引き落としの有無)など (ただし、生命保険金等は相続財産とではないとされています。)

借金など相続債務の調査

借金については、金銭消費貸借契約書、クレジットカード、督促状、信用情報機関(JICC、CICなど)への情報開示請求など
未払い金については、請求書、領収書、 通帳の記載など
税金等公租公課については、納税通知書、確定申告書、通帳の履歴など



亡くなった方が、遺言を残している可能性があるのであれば、遺言書の調査もしたほうが良いでしょう。
遺言書は、自宅に保管されている場合や、相続人の一人が 保管している場合、亡くなった方と親しい方が保管している場合などが考えられるでしょう。
公正証書遺言については、公証役場に保管されており、公証役場で遺言書の存在 を検索できることもあります。

また、公正証書遺言作成についての詳しい説明は、公正証書遺言のページをご参考ください。



相続放棄は、相続の開始を知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てることによって、行います。
相続放棄をした場合には、その方は、初めから相続人でなかった ことになりますので、プラスの遺産もマイナスの遺産も一切相続しなくなります。
亡くなった方に、財産がなく、借金等の債務が多い場合などに相続放棄を検討します。


相続放棄は、相続の開始を知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てることによって、行います。
相続放棄をした場合には、その方は、初めから相続人でなかった ことになりますので、プラスの遺産もマイナスの遺産も一切相続しなくなります。
亡くなった方に、財産がなく、借金等の債務が多い場合などに相続放棄を検討します。

相続放棄についての詳しい説明は、相続放棄のページをご覧ください。

ちなみに、相続人同士の話し合いで、遺産を相続する人・しない人を決める場合は、遺産分割協議となります。



相続人と相続財産が判明したら、相続人同士(相続放棄等で相続人ではなくなった方を除く)で遺産をどのように分けるのかを話し合って決めることになります。
遺産分割協議の結果は、必ず書面で作成し、相続人全員の実印を押印し、印鑑証明書を添付しておきましょう。
相続による名義変更の手続きにおいては、遺産分割協議により遺産を相続した場合には、 必ず遺産分割協議書の提出を求められます。

遺産分割協議についての詳しい説明は、遺産分割協議のページをご覧ください。



各相続人が取得する相続財産が決まりましたら、各相続財産について名義変更の手続きをします。

不動産の場合は登記手続き、預貯金、有価証券の場合は、それぞれの金融機関、証券会社などで名義変更の手続きをします。

保険については、保険会社のと契約約款に基づき請求することになります。

不動産の相続登記手続きについての詳しい説明は、相続登記手続きのページをご覧ください。

預貯金等の名義変更については、預金等名義変更のページをご参考ください。



相続税を収める必要がある場合は、相続開始から10ヶ月以内に申告をしなければなりません。

ご参考までに、現在の相続税の基礎控除額は、3000万円+(法定相続人の数×600万円)となっておりますので、その金額以内であれば相続税はかからないでしょう。